夜9時の空港。
ここからさらに3時間半、車で移動する私たちは、少しお腹が空いていた。

笑顔が素敵な運転手のZに、「さくっとテイクアウトできるものはない?」と聞くと、

「マクドナルドか、ジョリービーかな。」

さすがに、若い彼の答えはファーストフード。

年に一回食べるか食べないか、というくらいファーストフードとは縁のない私の心が、珍しく踊った。

フィリピンといえば、ジョリービー。
一度は食べてみたかった。

しばらく車を走らせ、中心街から少し離れたところでピットイン。

ドライブスルーに入り、メニューの前へ。

当然、Zが通訳してくれるものだと思っていたら、彼は車を後部座席の窓に合わせ、マイクの前でピタリと停車。

マイクの向こうから聞こえてきたのは、女性の声。

最初は何を言っているのか聞き取れなかったけれど、こちらが英語で注文を始めると、向こうも英語で返してくれた。

無事に注文を終え、窓口で商品を受け取り、次の窓口でお支払い。(効率いい!)

道路に戻り、再び運転を始めたZに聞いてみた。

「フィリピンでは、みんな英語を話すの?」

「ほぼみんな話せるよ。」

「学校で英語を習うんだよね?」

「うん。小学校からずっとかな。」
「でも、英語も習うけど、他の教科も英語で勉強するんだ。」

「……ん? 数学とか化学とかも?」

「そう。」

「それって私立の学校とか?」

「いや、公立だよ。」

!!!

最近で一番の衝撃だった。

「それはいつから? 最近始まったシステム?」

「いや、結構前から。」

「じゃあ、ご両親の世代も同じような教育を受けているの?」

「うん。だから話せるよ。そんなに上手じゃないけどね(笑)」

英語を科目として学び続ける日本と、
英語を手段として使い続けるフィリピン。

こんなに身近なところに、ヒントがあるのに。
日本が舵を切り直すのは、いつになるんだろう。

……ところで、気になるジョリービーのお味は。
塩分バランスが、私好みでした。