ー英語が聞こえない本当の理由と、音をインストールする方法ー
英語を勉強しているのに、なぜ聞き取れないのでしょうか。
TOEICのリスニング問題になると聞き取れない。
ネイティブの会話になると、突然音が消えたように感じる。
知っている単語なのに、別の言葉に聞こえる。
このような経験は、多くの英語学習者が一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
そして多くの人が、
「もっと勉強しなければ」
「自分の英語力が足りないからだ」
と自分を責めてしまいます。
しかし、英語が聞こえない理由は、単純な努力不足ではありません。
そこには、私たちの脳の音の認識システム、そしてこれまでの英語学習の中で作られてきた考え方が大きく関係しています。
今回、私のYouTubeチャンネル「英語音インストール研究所」の1周年を記念して、TOEIC®のスペシャリストである Robert Hilkeさん にインタビューを行いました。
この対談の中で、Robertさん自身の経験や具体的なエピソードを通して、「なぜ日本人は英語を聞き取れないのか」「なぜ発音学習が必要なのか」というテーマについて深く掘り下げています。
この記事では、その内容をもとに、英語の音を身につけるために必要な考え方を4つの視点から解説していきます。
英語が聞こえない原因は「耳」ではなく、脳の音の認識にある
私たちの脳には、聞こえてきた音を認識するための「音の地図(sound map / sound inventory)」があります。
脳は、耳から入ってきた音を、その地図の中にある音と照らし合わせながら処理しています。
つまり、その地図の中に存在しない音は、耳に届いていても「意味のある音」として認識できないことがあります。
日本語環境で育った私たちは、自然に日本語の音の地図を作ってきました。
そのため、日本語にはない英語の音は、脳が既存の日本語の音に近いものとして処理しようとします。
これはリスニングだけではありません。
発音するときにも同じことが起こります。
存在しない音は、聞き取ることも、再現することも難しいのです。
英語の発音が難しい理由|
では、なぜ私たちは英語の音の地図を広げる機会が少なかったのでしょうか。
その背景には、日本の英語学習環境も大きく関係しています。
多くの人にとって、英語は最初に出会う外国語であり、同時に「教科」でした。
テストがあり、評価があり、正解と不正解がありました。
その結果、
「間違えてはいけない」
「正しくなければいけない」
という考え方が無意識のうちに身についていきました。
そして、それは英語を話す時の心理的な壁になります。
「発音が上手じゃないから話せない」
「ネイティブみたいに話せないなら練習しても意味がない」
という完璧主義につながることがあります。
一方で、その反動として、
「英語は通じればいい」
「発音なんて気にしなくていい」
という考え方も生まれました。
もちろん、英語はネイティブのようになることが目的ではありません。
様々なアクセントや話し方があることは、英語という言語の豊かさです。
大切なのは、自分らしい英語を使いながら、相手に届く音を意識することです。
英語の発音は才能ではない|日本語と英語の音の仕組みの違い
では、実際に発音を学ぼうとすると、なぜ難しく感じるのでしょうか。
それは、英語と日本語では音の仕組みそのものが大きく違うからです。
英語では、
- spelling(綴り)と pronunciation(発音)が一致しない
- 日本語にはない母音や子音がある
- 強弱やリズムの仕組みが違う
- 音がつながったり変化したりする
という特徴があります。
また、多くの学習者が出会うIPA(国際音声記号)も、専門的には非常に価値のあるツールです。
しかし、学習者にとっては、
「記号を覚えなければ音が分からない」
「記号を見ても実際の音がイメージできない」
という新たな壁になることがあります。
音は記号ではありません。
実際の会話では、周囲の音と影響し合いながら変化しています。
だからこそ、単に記号を覚えるだけでは、実際に使える音として身につけることが難しい場合があります。
英語を「壁」ではなく「ツール」に変えるために|正しいアプローチで音をインストールする方法
では、どうすれば英語の音を身につけられるのでしょうか。
ここで大切になるのが、
「聞く」以外の方法も使って、脳に新しい音を認識させること
です。
動画の中でRobertさんが紹介してくれた興味深い経験があります。
日本人に自分の名前を伝える時、英語の発音で「Robert」と言っても認識されないことがある。
そのため、まず「ロバート」と言ってから、正しい英語の発音を伝える。
これはまさに、音の地図の話そのものです。
存在しない音だから、聞こえない。
聞こえない音だから、出すことも難しい。
では、その音をどうやって脳に届けるのか。
ここでColor Vowel® Approachが役立ちます。
Color Vowel®では、音を単なる記号や説明として学ぶのではなく、
- Visual(視覚)
- Kinesthetic(身体感覚)
- Musical(リズムや音楽的要素)
を使って、音を体験として学びます。
例えば、OLIVE SOCKの音。
ただ「この記号の音です」と覚えるのではなく、口の動き(身体感覚)、色・チャートの位置(視覚)、イメージ(視覚)と結びつけながら反復(リズム・音楽的要素)することで、新しい音のカテゴリーを脳の中に作っていきます。
正しいアプローチは、英語を教える人にも必要
ここまで、英語学習者の視点から「なぜ英語の音が聞こえないのか」「なぜ発音が難しく感じるのか」という話をしてきました。
しかし、この課題は学習者だけのものではありません。
英語を教える先生方にとっても、「音」をどう伝えるかは大きな課題です。
発音指導では、
「口をもっと開けて」
「舌をここに置いて」
「この記号の音です」
という説明がよく使われます。
もちろん、それらの知識は大切です。
しかし、音は目に見えません。
そして、学習者がまだ認識できない音を、言葉だけで説明することには限界があります。
だからこそ、教師には音を理解する知識だけではなく、音を学習者に届けるためのアプローチが必要になります。
Color Vowel® Approachは、音を色・動き・リズムと結びつけることで、目に見えない英語の音を共有できる形にします。
これは、学習者が自分の音の地図を広げるためだけでなく、教師が学習者をサポートするための強力なツールにもなります。
英語も、発音も、正しいアプローチが大切
英語学習で必要なのは、ただ努力量を増やすことではありません。
大切なのは、
自分の脳の仕組みに合った方法で学ぶこと。
発音は、一部の人だけが持つ才能ではありません。
正しいアプローチを選ぶことで、新しい英語の音は誰でも少しずつ身につけていくことができます。
英語を「壁」ではなく、「自分の可能性を広げるツール」にするために。
まずは、あなた自身の中にある英語の音の地図をアップデートすることから始めてみませんか。
ここまで読んでくださった方へ。
英語の音を「知識」としてではなく、「使える音」として身につけるためには、まず自分の中にある英語の音の地図をアップデートする(音のインストール)ことが大切です。
A+ coachingでは、Color Vowel® Approachを通して、日本語話者が英語の音を認識し、再現できる力を育てるサポートをしています。
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