Color Vowel®のコアプログラムであるLevel 1 Practicumに、今回は“学ぶ側”ではなく、“支える側”として参加する機会をいただきました。

結論から言うと、今回強く実感したのは
「knowing(知っていること)」と「doing(できること)」の間には、大きなギャップがあるということです。

このプログラムは5週間にわたるトレーニングで、毎回参加者のバックグラウンドはさまざまです。
ただ、今回私が担当したグループはかなり特殊でした。

ほぼ全員が英語ネイティブ。
しかもLinguisticsやPhoneticsの修士・博士号を持ち、現役で英語指導をしている“専門家”ばかり。

正直に言うと、強いプレッシャーを感じました。

100%英語でのファシリテーション経験がほとんどない中、できる限りの準備をしました。
想定できる質問、オンラインでの進行、細かい流れまで何度も練習し、「やれることはすべてやった」と言える状態には持っていきました。

そして迎えたWeek1。

最初のアクティビティ。
説明もスムーズ、理解確認も問題なし。
「よし、いける」と思ったその瞬間——

誰も動かない。

チャットにリンクを貼ったのに、「送信」を押し忘れていたのです。

さらに別の場面では、ディスカッションに繋げるつもりの問いかけに対して、予想外の方向のコメントが続き、頭が真っ白に。
結局、メイントレーナーに助けてもらう形になりました。

レッスン後は、正直かなり打ちのめされました。

ただ、その経験から一つ大きなことに気づきました。

私は「うまくやること」に意識が向きすぎていたということです。

完璧に準備することも、すべてをコントロールすることもできない。
それよりも大切なのは、目の前の参加者の学びにどう関われるか。

そこに意識を向けたとき、少しずつ余裕が生まれ、柔軟に対応できるようになっていきました。

そして今回、もう一つ非常に印象的だったのが、参加者全員が口を揃えて言っていたことです。

「これまでLinguisticsやPhoneticsを学んできて、理解しているつもりだった。
でも、自分が無意識にやっていることを実は全く分かっていなかった。」

「生徒にとって本当に必要なことは、ほとんど学んできていなかった。」

これはとても象徴的でした。

どれだけ専門的な知識があっても、
それが「できるようになる形」で教えられなければ意味がない。

ネイティブであっても、自然に使っている英語を“理解している”とは限らない。
それは私たちが日本語を深く説明できるわけではないのと同じです。

そして多くの場合、人は「自分が受けてきた教育」と同じ方法で教えます。

だからこそ必要なのは、

学習者にとって本当に必要なのは何か?
それは“知識”なのか、“できる力”なのか?

この問いを持ち続けることだと思います。

知っていることと、できることは違う。

そして、学習者が求めているのは、いつも「できるようになること」です。

そのギャップをどう埋めるのか。

それが、これからの指導において最も大切なことだと、改めて実感した5週間でした。