「SILVERが聞こえました!」

ある日のレッスンで、生徒さんがとびきり嬉しそうに報告してくれました。

「アジア大会の表彰式で、銀メダルのアナウンスがあったんです。今までなら『シルバー』って聞こえていたはずなのに、今回はちゃんとSILVERの音で聞こえたんです!」

そして、こんなことも。

「一度SILVERの音で聞こえたら、もう元の『シルバー』には戻れないんですね!」

そうなんです。

Once you hear it, you can’t unhear it.

一度聞こえるようになると、もう聞こえなかった頃には戻れない。

この言葉がぴったりの瞬間でした。

そもそも、なぜSILVERが聞こえないの?

英語には、日本語の「い」と同じように聞こえるようで、実は異なる母音があります。

Color Vowel® Approachでは、SILVER PINとGREEN TEAという色の名前を使ったAnchor Phrasesを通して、それぞれの母音を区別して学びます。

日本語話者の脳は、この2つの母音を区別せず、どちらも日本語の「い」の音のカテゴリーにまとめて捉えがちです。

そのため、SILVERは「シ+ルバー」、PINは「ピ+ン」というように、日本語の音の感覚で処理されやすくなります。

もちろん、カタカナで書いたからといって、誰もが同じように発音するわけではありません。ただ、日本語の音のカテゴリーを通して英語を聞いたり話したりすることが、音の区別を難しくする一因なのです。

この生徒さんも、プログラムを始めたばかりの頃は、SILVER PINの母音を聞き分けることに苦労していました。

Level 1で、ひとつひとつの母音の音を学び、練習を重ねていく。

そして、プログラム開始から5回目くらいのことでした。

それまで聞こえなかった音が、実際の英語の中で、別の音として耳に入ってきたのです。

課題の中だけではなく、日常で耳にした英語を通して、自分自身でその違いに気づけたこと。これは、学習の大きな一歩です。

これこそ、私が英語音をインストールすることを大切にしている理由です。

英語音をインストールするとは?

新しい音を学ぶことは、単に新しい発音をひとつ覚えることではありません。

今まで同じものとして処理していた音に違いを見つけ、聞き分けられるようになること。

そして、その音を自分でも作れるようになること。

学んだ音が、自分の中に新しい音のレパートリーとして加わっていくことです。

一度身についた音は、特別な練習のときだけ使うものではありません。日常で英語を聞いているときにも、その音に気づくきっかけになります。

もちろん、音を学んだからといって、あらゆる英語が一度で聞き取れるようになるわけではありません。それでも、今まで気づかなかった違いに気づけるようになることは、大きな変化です。

そして、聞こえる音を自分で作る練習も、聞き分ける力を育てていきます。

出せる音が増えることは、聞こえる音を増やすことにもつながるのです。

真似だけで終わらない、再現性のある発音学習

英語の発音は、耳のよさやセンスだけで決まるものではありません。

誰かの発音を真似して、一時的に同じような音を出せても、ひとりになったときに再現できなければ、実際のスピーキングでは使いにくいものです。

大切なのは、音の特徴を知り、自分で音を作り、別の単語や文章でも使えるようになること。

A+coachingのプログラムで使用するColor Vowel® Approachでは、母音を色とAnchor Phraseで捉え、視覚や身体の動きも使いながら、英語の音をインストールしていきます。

目指すのは、真似や感覚だけに頼らず、自分で音を再現できるようになること。そして、学んだ音を実際の英語で使えるようになることです。

Once you hear it, you can’t unhear it.

聞こえなかった音が聞こえるようになる。

出せなかった音が出せるようになる。

それは、これから出会う英語の世界が少しずつ変わっていくということ。

あなたの英語にも、一生ものの音のレパートリーを増やしてみませんか?

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