人にはそれぞれ向いている、好む、やりやすい学習法があります。
何となく感覚ではわかっていても、じっくりと「学習法」を考えたことがない方も多いのではないでしょうか。

私たちが受けてきた教育を考えてみても、
自分はどんな学習法が向いているのか?好きなのか?
そもそも、どんな方法があるのか?など考える機会はなかったように思います。

特に英語教育においては、
教科書の各ユニットごとに長文が紹介され、
その長文から、ユニットでフォーカスされる文法を学ぶ。
あとはその周りに付け加えるボキャブラリーをただひたすら覚える。
書いて、書いて、フラッシュカードなんかを使って、とにかく覚える。

そしてどれだけ「覚えたか」を試すテストがある。

この繰り返し。

ノートを使う人、フラッシュカードを使う人、
これくらいの好みの差はあっても、みんな大体のプロセスは同じ。

私自身も自分の学習スタイルを認識したのは大人になってからでした。

以前、仕事で3年間韓国に行くことを知らされた時のことです。
自ら異動先を選択できたわけではなかったので
(さらに勝手に英語圏に行くものと思っていたので)
不安しかありませんでした。なぜなら、

「韓国語が話せない・・・。」

話せないどころか、(昨今の韓流ブーム以前でもあり)
韓国の文化に触れることも、韓国に関する知識も皆無に近く、
ハングルも全く読めない、そんな状況だったからです。

なのに、辞令から出発までの短期間、通常業務と引越し準備に追われ、
結局勉強も何もできずに飛び込むことになりました。

そんな状態で到着した韓国・ソウル。
職場にいる間は日本語でやり切れるので、問題はなかったのですが、
一歩外に出ると生活がかかっています。
看板に書かれている文字も何もわからない、一大事です。

こんな時に、文法の本を読んで、単語を覚えて、次のページに進んで・・・
なんてやっていられませんでした。

やった方法はたった一つ。

から使う(予定の)フレーズを1つだけとにかく無条件に覚える。
そして使う。

その繰り返し。


例えば、まず最も優先順位が高かったのが、スーパーでの会話でした。

どうしても買いたい物が見つからない時は諦めるか、
(スーパーで諦めなかった私のエピソードはこちら
お店の人に聞くかしかありません。

「〜 어디예요? (〜はどこにありますか?)」というフレーズがとても重要でした。

さらにレジでは、運よく「袋は入りますか?」と相手が聞いてくれれば
「네 ネ(はい)」で済むのですが、
聞いてもらえない時に「袋を下さい。」と言わなければいけなかったのです。

そんなサバイバルな形で学習(?)をとにかく続けました。
しかし、一つ一つは小さな点であっても、たくさん集めていくと、
1年くらい経つころには線となってつながる瞬間が出てくるのです。

あ、「지하철 チハチョル」の「하 ハ」は「下」という意味か!
ということは、もしかして「以下」は「이하 イハ」になるのか?

という具合に。

これがまさに、タイトルにある
Inductive Learning(帰納的学習法)スタイルでした。
そして、この方法は私にピッタリと合っていました。

しかし、私のパートナーにはこの方法は通用しませんでした。
しっかりと本を買い(全10冊!)、一つ一つ文法を確認しながら、
書いて、覚えて、という学習を続けるのです。
なぜなら、彼にとっては、
「なんでそうなるのか」が気になり、
それを放っては前に進めないのだそうです。
これがまさに
Deductive Learning (演繹的学習)スタイルです。


とりあえず使ってみたらいいじゃん!の私と、
じっくり理解して準備して使う彼。
面白いほどに真逆でした。


帰国してからも韓国語の学習を続けている私たち。
彼は相変わらずこの10冊を繰り返し学習しています。
私はとにかくたくさんドラマを見て(面白いし🎵)、
たくさん使うようにしています。

だから私は、大人になってから英語を頑張りたいと思っているのに
なかなか上達しない、と悩んでいる方には是非、
「英語といえばこの学習法」と
昔から何となくやっていた方法を一度捨てて、
そこから抜け出し、全く違う学習法を試してもらいたいな、と思っています。

意外な好みが見つかるかもしれません。

英語発音コーチングではご自身に合った学習法を見つけるサポートもしています。