記念日や自分へのご褒美に使わせて頂いているお鮨屋さんへ伺った時の事。

某大手ホテルなどで経験を積まれた大将とは、
毎回必ず一度は英語が話題になるのですが、色々なやりとりの中で、
大将が大切にされている「わさび」について話を伺っている最中、

「わさびのえぐ味がね・・・ 
あ、所で『えぐ味』って英語で何て言うんですか?」と聞かれました。

「えぐみ・・・?」

使ったことがない言葉と、相当する英単語を知らない私は、

「いや〜、分からないですねぇ。因みに、『えぐみ』ってどんな感じですか?」

と近い意味の言葉ならわかるかもしれない、
と質問を返しました。

しばらく「う〜ん」「どんな感じだぁ?」と唸りながら
大将と、私と、英語ネイティブの夫と三人で頭を絞っていました。

三人寄れば・・・寄ってもダメでした💦


しかし私は

「じゃぁ、たとえば『えぐみ』がある食べ物って他にどんなものがありますか?」

と諦めずに聞きます。

すると
「あ、春の山菜なんかそうですね、フキノトウとか!」と、大将。

「あ、虫が嫌がる類の感じですね!」と、私。

何となくイメージは浮かんだのですが、結局英単語としては
タンニンの強い赤ワイン口に含んだ時のあの感じの
”astringency”や”bitterness”が
一番近いのかなぁ、と結論づけました。


後日、大将とのやりとりで

「あれから、エグ味、渋味、苦味など日常で使っていても、
深く説明しようと思ったら日本語でも難しいと感じました。」

とおっしゃるのを聞き、

・日本語が持つ表現の豊かさを英単語に単純に置き換えるのは相当難しい
・日本語は表現が豊かな言語なので、簡単な日本語に噛み砕き、言い換える必要がある

ということを実感したのでした。

しかしこの方法、実は苦労して英語のボキャブラリーを増やすよりも、

案外近道なのかもしれません。