英語のスピーキング力もリスニング力も、もとをたどれば「音」に支えられています。
私たちが発する言葉は、すべて音に乗って届けられるものだからです。
そう考えると、これまでの英語学習では、その“音”の部分があまり大切にされてこなかったように思います。
それもそのはず、私たち(年代によると思いますが💦)の経験してきた英語学習は、「テスト」のためのものだから。
だから、スピーキングが苦手、リスニングが苦手、頑張ってもなかなか上達しない、と思う人がいるのも当然のことだと思います。
だから、今までの英語に対する向き合い方、捉え方を一度コロッと変えてみるのは悪くないことかもしれません。
そう、「音」からアプローチをしてみるのです!
今回は、その英語の「音」のインストールに欠かせないColor Vowel® Approachの「音が見える」というすごい点について、経験談も交えてお伝えできたら、と思います。
目次
- 音について話すことができるかがポイント
- 発音記号に苦戦
- スペル(文字)と音が一致しない
- 音が見えるColor Vowel®
- フレーズ(anchor phrase)の役割
- 生徒さんが「音が見えた」瞬間のエピソード
音について話すことができるかがポイント
まず、「音が見える」というのはどういうことか。音はそもそも視覚で捉えるものではないのは誰でもわかります。
それを、可視化したものが、辞書や教科書などでよく見かける『発音記号』です。(1800年代後半に国際音声学会(IPA)があらゆる言語の音声を文字・記号でまとめたもの)
この発音記号、英語学習をやってきた人であれば、目にしたことがない人はいないのではないでしょうか。そして私は、この「可視化」された発音記号を勉強すれば、音が見えるので、誰かとある音について共通認識を持って話すことができ、あわよくば発音の上達に繋がるのではないか、と淡い期待を抱いていました。
発音記号に苦戦
しかし私はこの発音記号に非常に苦戦しました。
その理由は2つあります。
①記号と音が一致しない
記号に対する音の説明を読んでも、結局どういう音なのかよくわからなかったのです。例えば、「この音は『あ』の発音に近く、もう少し口を大きく開けて・・・etc.」 どれくらい口を開ける?どの方向に???という感じに。
②記号の名前が難しすぎて、音を特定できない
/dʒ/→dと3みたいなあれ
/ð/→9の反対に点がついているような、 (Ethという名前があるらしい)
/θ/→0の真ん中に線がある形の・・・ (Thetaという名前だそうです)
/ʃ/→間延びしたSみたいな・・・
/ə/→eの逆さまになった・・・
だから、音そのものを特定することができないので、話すことができず、結局書かれた情報に頼るのですが、書かれた情報だと、音の出し方がいまいちよくわからない、という沼にはまってしまいました。
結局、私は発音記号とは知り合うことも仲良くなれなることもできなかった、そんな感じでした💦
スペル(文字)と音が一致しない
さらに、追い討ちをかけたのが、アルファベットとの関係でした。
例えば、
two, woman, go, stop, women,
この5つの単語のどれもアルファベットの “o”を使っていますが、すべて違う音なわけです。だから、「”o”の音が・・・」と言ってもどの音のことかわかりません。またもや、音の特定ができないので、共通認識を持って誰かと話すことができないのです。
この「話すことができる」ということがそれだけ重要か、と疑問に思われるかもしれませんが、やはり音なので、何かしら形を持たせないと、掴みどころがなく、結局学習への壁となってしまうのではないかと思います。
音が見えるColor Vowel®
そんな時に出会ったのがColor Vowel® Chartでした。
一見、子どもの英語教材?のように見えるこのカラフルでシンプルなチャートと簡単なフレーズ。
この「シンプル」で「簡単」そうな外見に、発音記号の「複雑」「難解」に苦戦していた私はすぐに興味を持ちました。
私でもできるかも、と。
フレーズ(anchor phrase)の役割
ChartにあるGREEN TEAやSILVER PINなどのフレーズはanchor phraseと呼ばれます。そのフレーズで使われる両方の単語の母音が1つの母音の「音」を代表しています。例えば、
“read”, “keep”, “me”, “leave”はすべてGREEN TEAの音
“big”, “city”, “this”, “chicken”はすべてSILVER PINの音、という具合に。
つまり、それぞれの母音の音に「ラベル」がついて、尚且つその「ラベル」が音そのものもと一致しているので、どんな音なのか把握した状態で、共通認識を持ち、話すことができるのです。
さらに、練習を繰り返していくうちに、そのColor(もしくはフレーズorアイコン)が自分の中の「音」そのものと一致していきます。つまり、「音が見える」ようになるのです。
生徒さんが「音が見えた」瞬間のエピソード
初めは、音とcolorが一致しない、もしくは音そのものの認識は難しいのですが、練習を繰り返していくと音の識別が可能になってきます。
3ヶ月を過ぎる頃にはどんどん音がインストールされ始めたことを実感します。
例えば、先日、”program”の最初の母音をOLIVE SOCKと同じ母音の音で発音している生徒さんに対して、”o”の文字の下にROSE BOATのアイコンを置いて見せました。そうするとすぐ、「あ、ROSE BOATなんですね!」と言い(話ができ)、正しい母音(ROSE BOAT)の音で”program”を言い直しました。
また、もう少し長くやっている生徒さんのコーチングで、少し難しい”terrible”の発音を練習していました。音が複雑に変わっていく様子をColor Vowel® Chartで可視化しながら一緒に練習をして、言えるようになったのですが、後にその生徒さんのメモを見ると、 「RED→PURPLE→SILVER (or MUSTARD)」のように母音の音の移行を書いていました。
まさに、「音が見える」から、音について話すことができ、話すことができるからその音の認識および識別ができるようになり、認識ができるようになれば聞くことも、発音することも可能になっているのを実感したエピソードでした。
この「音が見える」ということは、なかなか経験なしでは想像しにくいかもしれませんが、(長くなり過ぎるので)次回#2でさらに驚くべき仲間の経験を交えてお伝えしたいと思います。
